Japanese
English
症例報告
隆起性皮膚線維肉腫が多発した1例
A case of multiple dermatofibrosarcoma protuberans
海老原 全
1
,
桜岡 浩一
2
,
早川 和人
3
,
清水 宏
1
,
仲 弥
1
,
原田 敬之
1
Tamotsu EBIHARA
1
,
Koichi SAKURAOKA
2
,
Kazuhito HAYAKAWA
3
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Wataru NAKA
1
,
Takashi HARADA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2済生会横浜市南部病院
3杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Division of Dermatology, Yokohama-nanbu Saiseikai Hospital
3Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
隆起性皮膚線維肉腫
,
多中心性発生
Keyword:
隆起性皮膚線維肉腫
,
多中心性発生
pp.517-520
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901234
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隆起性皮膚線維肉腫が左大腿と右上腕に発生した1例を報告した.患者は40歳,男.13年前左大腿に腫瘍が生じ,近医にて切除を受け隆起性皮膚線維肉腫と診断された.最近,腫瘍摘出部位に一致して,径約2cmの弾性硬,褐色調の結節が生じ,さらに右上腕にも同様の臨床像を呈する径約1cmの結節が生じた.組織学的には両者とも,真皮内にstoriform patternを呈し,増殖する線維芽細胞様細胞と膠原線維束からなる腫瘍塊を認めた.個々の細胞に明らかな異型性は認められなかった.電顕による観察では,腫瘍細胞は軽度の凹凸,切れ込みのある核を有し,細胞質内には豊富な粗面小胞体を認め,線維芽細胞様細胞の特徴を示した.以上より,本例を多中心性に発生した隆起性皮膚線維肉腫と診断した.本症の多発例について文献的に検討し,自験例の発生につき若干の考按を加えた.
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