Japanese
English
症例報告
肺転移をきたした隆起性皮膚線維肉腫の1例
A case of dermatofibrosarcoma protuberans with lung metastasis
神山 由佳
1
,
曽我部 陽子
1
,
郡 隆之
2
Yuka KAMIYAMA
1
,
Yoko SOGABE
1
,
Takayuki KOHRI
2
1利根中央病院皮膚科
2利根中央病院外科
1Division of Dermatology, Tone Central Hospital, Numata, Japan
2Division of Surgery, Tone Central Hospital, Numata, Japan
キーワード:
隆起性皮膚線維肉腫
,
線維肉腫様構造
,
fibrosarcomatous change
,
遠隔転移
Keyword:
隆起性皮膚線維肉腫
,
線維肉腫様構造
,
fibrosarcomatous change
,
遠隔転移
pp.53-57
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103516
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要約 78歳,男性.1996年頃より右季肋部に腫瘤が出現した.2006年初診時,9×8×5cmの表面平滑で紅色調,ドーム状に隆起する腫瘤がみられた.皮膚生検病理組織像ではCD34陽性の紡錘形細胞が密に増殖し,隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans:DFSP)と診断した.他院にてマージンをとらずに腫瘍摘出された.摘出標本の一部では腫瘍細胞がherringbone patternを呈し増殖していたが,同部もCD34陽性であった.拡大切除せずに経過観察中,2009年胸腹部CTで左肺下葉に小結節がみられ,徐々に増大した.2010年転移性肺癌を疑い呼吸器外科で小結節を含め胸腔鏡下左肺部分摘出術を行った.組織学的にDFSPの肺転移と診断した.線維肉腫様構造を伴うDFSPは,通常のDFSPよりも遠隔転移をきたす可能性が高く,原発巣の十分な切除範囲に加え,再発・転移について長期間経過観察を要する.
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