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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
6章 成熟T細胞腫瘍
4 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)
Angioimmunoblastic T-cell lymphoma (AITL)
髙橋 千春
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1006-1007
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206192
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血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(angioimmunoblastic T-cell lymphoma:AITL)は,末梢性T細胞リンパ腫の一病型であり,CD4陽性濾胞ヘルパーT細胞(follicular helper T-cell:TFH)に由来する腫瘍である1,2).T細胞系マーカーのCD3,CD4に加え,TFHの特徴的なマーカーであるCD10,CXCL13,PD-1が陽性となる7).わが国におけるAITLの発生頻度は,リンパ腫全体の約2%,T/NK細胞腫瘍の約10%とされている5).中高年に好発する.
初発時から全身のリンパ節腫脹,発熱,体重減少,肝脾腫,皮疹など,B症状を伴う全身症状を示すことが多い.高率に骨髄浸潤を来す(50〜90%).LD(lactate dehydrogenase)や可溶性IL-2レセプター(soluble interleukin-2 receptor:sIL-2R)高値など他のリンパ腫と共通した検査値異常に加えて,AITLでは多クローン性高γグロブリン血症,自己免疫性溶血性貧血などの免疫異常をしばしば伴う.急速に進行することが多く,生存期間中央値は3年未満とされている.
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