症例
一絨毛膜二羊膜性双胎の一児に晩期溶血性黄疸(貧血)を認めた超低出生体重児の1例
江頭 智子
1
,
中山 愛子
,
川崎 祥平
,
七條 了宣
,
宮村 文弥
,
江頭 政和
,
水上 朋子
,
高柳 俊光
1国立病院機構佐賀病院 総合周産期母子医療センター小児科
キーワード:
Bilirubin
,
黄疸-新生児
,
光線療法
,
双生児の疾患
,
貧血-溶血性
,
輸血
,
超低出生体重児
,
一絨毛膜二羊膜性双胎
Keyword:
Blood Transfusion
,
Bilirubin
,
Jaundice, Neonatal
,
Phototherapy
,
Diseases in Twins
,
Anemia, Hemolytic
,
Infant, Extremely Low Birth Weight
pp.1422-1425
発行日 2019年10月10日
Published Date 2019/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020026693
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日齢11の男児。SpO2低下、溶血性黄疸を主訴とした。妊娠24週4日に緊急帝王切開で出生した一絨毛膜二羊膜性双胎の第2子(出生体重524g)で、出生後は第1子(出生体重682g)とほぼ同様に管理されたが、患児は日齢9よりSpO2が低下し、日齢11の検査所見でメトヘモグロビンの上昇とHeinz小体の上昇を認めた。溶血性黄疸の続発を予測して光線療法を開始したが、ヘマトクリット(Ht)値の進行性の低下、血清総ビリルビン(T-Bil)値とアンバウンドビリルビン(UB)値の上昇を認めた。Htの低下に対して日齢11と日齢20に輸血を行ったが、交換輸血は不要であり、その後、T-BilとUBは徐々に減少して溶血性黄疸の再燃は認めなかった。患児は他児と比較して、子宮内でより長期間にわたって低酸素もしくは虚血再灌流のストレスに曝されていた可能性が高い。
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