Japanese
English
症例報告
皮膚アスペルギルス症の1例
A case of cutaneous aspergillosis
稲垣 千絵
1
,
野田 智子
1
,
柴垣 亮
1
,
池田 佳弘
1
Chie INAGAKI
1
,
Tomoko NODA
1
,
Ryou SHIBAGAKI
1
,
Yoshihiro IKEDA
1
1京都第2赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kyoto Second Red Cross Hospital, Kyoto, Japan
キーワード:
皮膚アスペルギルス症
,
日和見感染
Keyword:
皮膚アスペルギルス症
,
日和見感染
pp.634-636
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101728
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要約 67歳,女性.顕微鏡的多発血管炎の治療開始約3か月後に頭部,上肢,体幹に皮下結節が多発した.パンチ生検を行い病理組織学的に検討したが,軽度の炎症反応を認めるのみで診断に至らなかった.次に皮下結節を摘出したところ,病理組織像で脂肪織内に菌糸を多数認め,培養でAspergillus fumigatusを分離した.他臓器にアスペルギルス症を示唆する所見はなかった.皮膚アスペルギルス症と診断し,ミカファンギンナトリウム50mg/日の点滴を行うことにより,皮下結節は徐々に減少した.免疫力が低下した患者では特に,常に日和見感染の真菌の侵入も念頭に置き,十分な量と深さの生検を行うことが重要であると思われた.
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