私の経験
デジタルデバイス関連の急性内斜視に対するフレネル膜プリズム治療の長期経過中に再発を経験した1例
松下 愛
1
,
雑賀 司珠也
1
1和歌山県立医科大学眼科学教室
キーワード:
急性後天共同性内斜視
,
デジタルデバイス
,
フレネル膜プリズム
Keyword:
急性後天共同性内斜視
,
デジタルデバイス
,
フレネル膜プリズム
pp.69-73
発行日 2026年1月5日
Published Date 2026/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004521
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近年,急性後天共同性内斜視(AACE)と近業作業との関連が報告されている。その治療には屈折矯正,近業制限,プリズム眼鏡,ボツリヌス療法,手術などがある。本症例は7歳男児で,1日4時間以上のスマートフォン使用歴があり,複視を自覚し眼科を受診した。遠見,近見ともに35ΔのAACEを認めた。スマートフォンの使用制限では改善なく,フレネル膜プリズムを処方し,段階的に減量することで2年6か月後に眼位が改善しプリズムを離脱できた。しかし,通院中断とスマートフォン使用時間の再増加により再発した。フレネル膜プリズム再処方で治療を開始したところ速やかに改善し,再度離脱することができた。大角度のAACEであっても,フレネル膜プリズムを継続使用し段階的に減量することで,眼位改善が得られる可能性があることが示唆された。デジタルデバイス関連AACEの増加が予想されるなか,本症例は治療選択や生活指導の重要性を示す臨床的意義があると考えられた。

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