私の経験
まれな同名半盲をきたした心因性視覚障害の1例
井畑 雄多郎
1
,
安藤 智子
1
,
丹羽 義明
1
,
望月 清文
2
,
小林 瑛美子
3
1岐阜県総合医療センター眼科(岐阜県)
2岐阜大学医学部附属病院眼科
3岐阜県総合医療センター小児科
キーワード:
視野障害
,
同名半盲
,
心因性視覚障害
,
visual field impairment
,
homonymous hemianopia
,
psychogenic visual impairment
Keyword:
視野障害
,
同名半盲
,
心因性視覚障害
,
visual field impairment
,
homonymous hemianopia
,
psychogenic visual impairment
pp.375-380
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004122
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心因性視覚障害の視野異常としてはまれな同名半盲をきたした症例を経験したので報告する。症例は9歳,男児。スキー中に転倒し足を打撲,その後左側の視野狭窄を自覚した。翌日まで経過観察するも改善乏しく当院に救急搬送された。救急外来において頭蓋内精査が行われたが異常は認められず,2日後に当院小児科に紹介となった。神経学的に異常はなかったが,眼科的評価のため当科紹介となった。初診時,眼球運動に制限なく視力は両眼1.2で,眼底検査および光干渉断層計で異常はなかったが,Goldmann視野計で黄斑回避を伴う左同名半盲を認めた。限界フリッカ値は正常範囲内であった。高次医療機関において精査を進めたところ同名半盲は改善し自覚症状も消失し,心因性視覚障害と診断された。心因性視覚障害では多彩な視野の障害パターンを示すことがあり,原因不明の視野異常を認めた場合には心因性も鑑別として挙げる必要があると考えられた。

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