特集 神経眼科とOCT
7 後頭葉病変によるOCTの長期変化
山下 力
1
,
三木 淳司
1
1川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科/川崎医科大学眼科学教室1
キーワード:
光干渉断層計
,
網膜神経節細胞複合体厚
,
乳頭周囲網膜神経線維層厚
,
後頭葉病変
,
同名半盲
,
経時的変化
,
optical coherence tomograph
,
macular ganglion cell complex thickness
,
circumpapillary retinal nerve fiber layer thickness
,
occipital lobe lesion
,
homonymous hemianopia
,
longitudinal changes
Keyword:
光干渉断層計
,
網膜神経節細胞複合体厚
,
乳頭周囲網膜神経線維層厚
,
後頭葉病変
,
同名半盲
,
経時的変化
,
optical coherence tomograph
,
macular ganglion cell complex thickness
,
circumpapillary retinal nerve fiber layer thickness
,
occipital lobe lesion
,
homonymous hemianopia
,
longitudinal changes
pp.1475-1483
発行日 2018年11月5日
Published Date 2018/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000937
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まれではあるが,先天性後頭葉疾患ではシナプスを越えた経シナプス逆行性変性が網膜神経節細胞(retinal ganglion cell:RGC)に生じ,視索病変と同様な半盲性視神経萎縮がみられるとされている1)。しかしながら,これまで,発症後57年経過した同名半盲患者の視神経乳頭および網膜神経線維層に異常がなかったという報告もあり2),外側膝状体よりも後方の後天性視路障害によって生じる同名半盲患者では,シナプスを越えてRGCまで障害が及ぶことはなく,眼底に異常はきたさないとされていた。しかし,光干渉断層計(optical coherence tomograph:OCT)の登場により,黄斑部および視神経乳頭構造の定量的評価が可能となり,わずかな眼底異常所見をOCTでは検出できるようになってきた。time-domain OCTを用いた研究においては,先天性および後天性同名半盲患者の乳頭周囲網膜神経線維層(circumpapillary retinal nerve fiber layer:cpRNFL)厚の菲薄化が報告された3)~5)。次いで,解像力が向上したspectral-domain OCTでは半盲側に一致した黄斑部網膜内層厚の菲薄化がみられることが報告され6)~8),後部視路疾患の網膜への影響の解明が進んでいる。
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