原著論文
アバンシィ プリロード1Pトーリックの術後早期成績
古島 京佳
1
,
蕪 龍大
1
,
岩崎 留己
1
,
福田 莉香子
1
,
松本 栞音
1
,
竹下 哲二
1
1上天草市立上天草総合病院眼科(熊本県)
キーワード:
トーリック眼内レンズ
,
軸ずれ
,
乱視矯正効果
,
YP-T
,
アバンシィ プリロード1Pトーリック
Keyword:
トーリック眼内レンズ
,
軸ずれ
,
乱視矯正効果
,
YP-T
,
アバンシィ プリロード1Pトーリック
pp.69-75
発行日 2025年1月5日
Published Date 2025/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004020
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
目的
アバンシィ プリロード1Pトーリック(興和株式会社,以下YP-T)の術後早期成績について検討する。
対象および方法
2021年12月から2023年10月に上天草総合病院(以下当院)で白内障手術を施行しYP-Tを挿入した22例34眼(75.0±3.7歳)。比較対照としてClareonTM TORIC(日本アルコン株式会社,以下CNW)を挿入した44例78眼(77.4±5.0歳)。手術は2人の術者が行い,上方からの2.2mm強角膜切開で各社のインジェクターを用いてレンズを挿入し,無縫合で終了した。目標屈折値は全例で0.00Dとした。術翌日の軸ずれと回旋方向,術後1週間と術後1か月での裸眼および矯正視力,自覚および他覚球面度数,自覚および他覚円柱度数,術後1週間のコントラスト感度について比較検討した。
結果
YP-T群は術前と比較し裸眼視力・矯正視力・自覚円柱度数・他覚円柱度数・コントラスト感度を有意に改善させた。術後1か月の時点でCNW群と有意差は認めなかった。術翌日の予定軸からの軸ずれ量はYP-T群が有意に少なかった。
結論
YP-TはCNWと比較して,乱視軽減効果は同等であったが,予定軸からの軸ずれが少なかった。YP-Tは軸マークの位置が従来のトーリックIOLと比べて反時計回りに約55°異なり,倒乱視症例では支持部先端が水晶体嚢の短径方向に挿入されたために軸ずれ量が少なかった可能性があると考えられた。
Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.