原著論文
単焦点眼内レンズXY1-EM(Vivinex Impress)の早期術後成績
蕪 龍大
1
,
松本 栞音
1
,
岩崎 留己
1
,
福田 莉香子
1
,
古島 京佳
1
,
竹下 哲二
1
1上天草市立上天草総合病院眼科(熊本県)
キーワード:
インプレス
,
焦点深度曲線
,
中間視力
,
Vivinex Impress
,
XY1-EM
,
enhanced monofocal IOL
Keyword:
インプレス
,
焦点深度曲線
,
中間視力
,
Vivinex Impress
,
XY1-EM
,
enhanced monofocal IOL
pp.577-583
発行日 2024年6月5日
Published Date 2024/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003659
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目的
単焦点眼内レンズ(IOL)であるXY1-EM(Vivinex Impress,HOYA)とXY1-SP(VivinexTM)および高次非球面IOLであるDIB00V(TECNIS EyhanceTM,エイエムオー・ジャパン)の術後早期成績の違いについて検討した。
対象と方法
2023年7月から9月にかけて上天草総合病院で白内障手術を行いXY1-EMを挿入した患者18例30眼の術後1週間,1か月,3か月の矯正視力および等価球面値について経時変化を評価した。また,過去に当院でDIB00VおよびXY1-SPを挿入した患者22例34眼および16例26眼を対照群として,矯正視力(5m,70cm,50cm),コントラスト感度,焦点深度,眼内高次収差,自覚および他覚等価球面値,術後屈折誤差について3群間比較を行った。
結果
観察期間中,XY1-EMの矯正視力および等価球面値は経時的に変化しなかった。3群間比較ではXY1-EMの70cm視力がXY1-SPよりも有意に良好だったが,DIB00Vとは有意差はなかった。50cm視力ではXY1-EM,DIB00VがXY1-SPよりも有意に良好だった。焦点深度曲線はXY1-EMがDIB00Vよりも−1.50Dの付加視力で有意に良好だった。コントラスト感度,眼内高次収差,自覚および他覚等価球面値,術後屈折誤差に有意差はなかった。
結論
XY1-EMは,遠方の視機能および光学特性はXY1-SPと同等に維持され,加えて特に70cmにおける中間視力が強化されたIOLであると考えられた。
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