特集 抗VEGF治療の進歩:選択と最適化
4 近視性脈絡膜血管新生
平山 公美子
1
1大阪公立大学大学院医学研究科視覚病態学
キーワード:
近視
,
黄斑新生血管
,
黄斑変性
Keyword:
近視
,
黄斑新生血管
,
黄斑変性
pp.29-34
発行日 2025年1月5日
Published Date 2025/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004015
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近視は全世界的に増加傾向であり,なかでもアジアでその有病率の増加が特に顕著であると報告1)され,近年は小児の近視の増加2)も問題視されており今後さらに増加していくものと予想されている。2015年の病的近視の国際メタ解析スタディ(Meta-Analysis for Pathologic Myopia study:META-PM)において,病的近視はびまん性萎縮以上の近視性黄斑症を有する近視,もしくは後部ぶどう腫を有する近視と定義された3)。わが国でも久山町研究では40歳以上の日本人のうち−5.00D以下の強度近視は2005年から2017年にかけて5.8%から9.5%へと有意に増加し,近視性黄斑症の有病率は1.6%から3.6%と上昇していることが報告されている4)。近視性脈絡膜血管新生(myopic choroidal neovascularization:mCNV,以下近視性CNV)は強度近視における眼合併症のひとつであり,病的近視の約10%に認められ,そのうち30%の症例では両眼にCNVを生じる5)。加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)と比較すると比較的若年者で発症し,中心視力の低下をきたすため社会的にも重要な疾患である。
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