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特集 近視研究の最前線
【総論】
近視の疫学
Epidemiology of myopia
川崎 良
1
Ryo KAWASAKI
1
1大阪大学医学部附属病院AI医療センター,同大学院医学系研究科視覚情報制御学
キーワード:
近視
,
強度近視
,
疫学
,
公衆衛生
,
学校健康診断
Keyword:
近視
,
強度近視
,
疫学
,
公衆衛生
,
学校健康診断
pp.105-110
発行日 2021年10月9日
Published Date 2021/10/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27902105
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近視は,遠方にあるものは網膜上に結像しないためぼやけて見える状態である.近視は適切な眼鏡やコンタクトレンズ,屈折矯正手術などで矯正することで良好な遠方視力を得ることができるが,日常生活で適切な矯正を用いておらず実質的に視力障害の状態があることや,強度近視に伴う近視性黄斑症をはじめ種々の病態で不可逆的な視覚障害をきたすことから,現在では世界的にも重要な視覚障害の原因として対策が求められている.近視は2020年時点で世界人口の3人に1人,わが国を含むアジア地域では2人に1人が近視であり,2050年には世界人口でも2人に1人,アジア地域では3人に2人が近視と,さらに増加すると予想されている.近視は今なお増加していることから,継続して詳細な疫学調査で動向を把握することが重要である.また,眼科診療だけでなく学校教育や学校保健を含む医療政策など広い視点から対策をしていく必要のある重要な健康課題である.
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