特集 抗VEGF治療の進歩:選択と最適化
5 未熟児網膜症
吉田 朋世
1
1国立成育医療研究センター眼科(東京都)
キーワード:
未熟児網膜症
,
網膜光凝固
,
抗VEGF治療
Keyword:
未熟児網膜症
,
網膜光凝固
,
抗VEGF治療
pp.35-40
発行日 2025年1月5日
Published Date 2025/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004016
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
未熟児網膜症(retinopathy of prematurity:ROP)は,未熟児が出生後,その網膜血管が未熟なために出生環境の変化によってバランスを崩し,網膜血管の伸展の停止,異常新生血管の萌出,ひいては増殖膜による牽引性網膜剥離を引き起こし,弱視や失明に至る可能性のある疾患である。これまで治療は網膜光凝固術が主であったが,近年抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬による治療が日本でも認可され,光凝固術に代わる治療として多くの施設で硝子体注射が行われるようになってきた。一方で,ROPに対する抗VEGF薬治療の有効性と安全性については,いまだに議論が尽きない。本稿では,ROPに対する抗VEGF薬治療の適応,効果やその経過,現在の課題について解説していく。
Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.