症例報告
経鼻的な涙嚢鼻腔吻合術が奏効したレバミピド点眼によると思われる急性涙嚢炎の5例
矢部 比呂夫
1
,
矢部 由美
1
,
矢部 はる奈
1
1耳鼻科・眼科 水車橋クリニック(東京都)
キーワード:
レバミピド懸濁点眼液
,
ムコスタⓇ点眼液
,
急性涙嚢炎
,
経鼻的涙嚢鼻腔吻合術
Keyword:
レバミピド懸濁点眼液
,
ムコスタⓇ点眼液
,
急性涙嚢炎
,
経鼻的涙嚢鼻腔吻合術
pp.1521-1525
発行日 2024年11月5日
Published Date 2024/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003942
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レバミピド懸濁点眼液(ムコスタⓇ点眼液)はドライアイ治療剤(ムチン産生促進剤)として一般眼科診療で広く用いられている。その重大な副作用として急性涙嚢炎を惹起することについては同薬の添付文書に記載されており,症例報告も散見されるが,一般眼科医にとってこの副作用の認知度は高くない。また発生機序についても諸説あり,治療法についてもいまだにコンセンサスがないのが現状である。最近,本点眼液により惹起されたと思われる急性涙嚢炎の5例を経験した。いずれも経鼻的涙嚢鼻腔吻合術により治癒したが,留意すべき点はレバミピドによる治療開始から長期間を経て急性涙嚢炎が発症することであり,ゆえに発症後の対応が遅れやすいことである。メーカー側を含めて本副作用を周知する必要があると思われる。今後,本疾患に対する治療法のコンセンサス確立に向けての参考となることを期待して報告する。
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