Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
流涙を主訴として外来を訪れる患者は,比較的多く認められるのであるが,その検査法あるいは治療法となると,簡単ではないことが多い。この場合の検査法としては,結膜,角膜等の前眼部の検査は勿論必要欠くべからざる検査であるが,前眼部に疾患がない場合には,涙道洗滌,涙道ブジー,フルオレスチン点眼法,鼻涙管鏡検査等の涙道通過障害存否の検査が必要であり,更に通過障害のない場合には,柳田氏等によるフルオレスチン法,栗林氏等のフルオレスチン吸涙検査,長嶋氏の涙道検圧法等の涙道機能検査が必要となる。然しながら,以上の諸検査を行なつてもなお原因不明のことがあり,治療法の選択に迷うことが多い。著者等は,涙嚢鼻腔吻合術の術前検査として涙嚢造影剤注入法(以下DCGと略す)を行なつて来たが,この方法によつて涙嚢の形,鼻涙管の閉塞の有無及び形等が分るのみでなく,鼻涙管閉塞のない涙道機能障害の有無及び涙嚢鼻腔吻合術の適応をも,同時に検査することが出来ることを知つた。従つて上記の諸検査と同時に必ず行なうべきroutineの検査法である。本論文では,著者等が行なつているDCGの方法及び涙嚢鼻腔吻合術の適応について述べ,諸先生方の御参考に供したいと思う。
The technique and the value of dacryocy-stography is discussed in cases with obstruc-tion of lacrimal passage. Experiences with six own cases have shown that, while this examination gives crucial findings in decid-ing upon dacryorhinostomy, dacryocystogra-phy alone does not tell much as to the out-come of the operation.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.