特集 網膜中心動脈閉塞症の最新情報
2 検査・画像
橋本 りゅう也
1
1東邦大学医療センター佐倉病院眼科
キーワード:
網膜動脈閉塞症
,
蛍光眼底造影
,
光干渉断層撮影
,
光干渉断層血管撮影
,
レーザースペックルフローグラフィ
,
マルチモーダルイメージング
Keyword:
網膜動脈閉塞症
,
蛍光眼底造影
,
光干渉断層撮影
,
光干渉断層血管撮影
,
レーザースペックルフローグラフィ
,
マルチモーダルイメージング
pp.1459-1469
発行日 2024年11月5日
Published Date 2024/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003933
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網膜動脈閉塞症(retinal artery occlusion:RAO)は,網膜循環の急性障害により重篤な視機能低下を呈する代表的な眼循環障害である。本症は解剖学的特徴から,網膜中心動脈閉塞症(central retinal artery occlusion:CRAO)と網膜動脈分枝閉塞症(branch retinal artery occlusion:BRAO)に大別される。特にCRAOは,その病態生理学的特徴により,以下の4つの臨床病型に分類することが可能である:①永続的血流障害を呈する非動脈炎性CRAO,②一過性血流障害を示す非動脈炎性CRAO,③毛様網膜動脈による側副血行路を有するCRAO,④血管炎症性変化を伴う動脈炎性CRAO。このうち,②の一過性型および③の毛様網膜動脈開存型では,中心視機能が比較的良好に維持される症例の存在が報告されている。本症の基礎病態として,動脈硬化性疾患群(糖尿病,高血圧症,脂質異常症),心血管系疾患(心房細動,弁膜症),頸動脈病変,自己免疫疾患,血液凝固異常などが同定されている。近年の知見として,心筋梗塞や頸動脈内膜剥離術などの血管内治療後,さらにCOVID-19ワクチン接種後における発症例も報告されており,その発症機序への関心が高まっている。本疾患の病態把握においては,multimodal imagingによる総合的評価が重要である。
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