臨床報告
切迫型網膜中心静脈閉塞症に毛様網膜動脈閉塞症と網膜動脈分枝閉塞症を合併した1例
青松 圭一
1
,
岡本 紀夫
,
留守 良太
,
杉岡 孝二
,
中尾 雄三
,
松本 長太
,
下村 嘉一
1近畿大学 医学部眼科学教室
キーワード:
Aspirin
,
Indocyanine Green
,
眼底
,
蛍光眼底撮影法
,
網膜静脈閉塞症
,
網膜動脈閉塞症
,
Fluorescein
,
光干渉断層撮影
,
Esomeprazole
,
眼底撮影
Keyword:
Fundus Oculi
,
Aspirin
,
Fluorescein Angiography
,
Indocyanine Green
,
Retinal Vein Occlusion
,
Retinal Artery Occlusion
,
Fluorescein
,
Tomography, Optical Coherence
,
Esomeprazole
pp.97-102
発行日 2016年1月5日
Published Date 2016/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016181075
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
70歳男。近医眼科で網膜動脈分枝閉塞症と診断され紹介となった。視力は矯正で右1.5、左0.7であった。眼底検査で左眼に視神経乳頭周囲の僅かな出血と後極部の淡い網膜白濁を認めた。フルオレセイン蛍光眼底造影では、網膜白濁の領域を支配している2本の動脈枝の造影遅延を認め、このうち1本に前進後退現象を認めたことから、網膜動脈分枝閉塞症と毛様網膜閉塞症を合併した状態であると判断した。インドシアニングリーン蛍光眼底造影検査では網膜白濁部位に一致して初期像から後期像まで持続する低蛍光がみられた。アスピリンとエソメプラゾールの内服投与を行い、約1ヵ月半で視神経乳頭周囲の出血は減少し、網膜白濁は消失した。初診時と最終受診時の眼底所見を比較すると初診時には網膜静脈の拡張・蛇行が軽度に生じていたことが明らかになり、本例は切迫型網膜中心静脈閉塞症に毛様網膜動脈閉塞症と網膜動脈分枝閉塞症を合併した病態であったと判断した。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.