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4 糖尿病網膜症
澤田 修
1
1滋賀医科大学眼科学講座
キーワード:
糖尿病網膜症
,
超広角眼底撮影
,
蛍光眼底造影
,
広角OCTA
,
無灌流領域
,
新生血管
Keyword:
糖尿病網膜症
,
超広角眼底撮影
,
蛍光眼底造影
,
広角OCTA
,
無灌流領域
,
新生血管
pp.585-592
発行日 2019年6月5日
Published Date 2019/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001205
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糖尿病網膜症は網膜細小血管障害で生じる疾患で,毛細血管瘤にはじまり,細小血管閉塞を生じ,広範囲の無灌流領域(NPA)と進展し,網膜または乳頭新生血管(NVEまたはNVD,以下NV)を生じる。NVから硝子体出血や網膜前出血が起こり,NVを足場として線維血管増殖膜を形成し,牽引性網膜剝離となり,不可逆な視機能障害を残すこととなる1)2)。糖尿病網膜症診療においては,特にNPA,NVの検出は重要である。蛍光眼底造影検査(FA)はNPAやNVの検出に有用な検査であり,最近では超広角眼底撮影装置と進展し,網膜周辺部までの撮影が可能となった3)4)。一方,網膜血流を評価する新しい検査機器として,光干渉断層血管撮影(optical coherence tomography angiography:OCTA)が開発された。OCTAはFAに比べ,造影剤を用いないため,非侵襲で反復検査が可能で,網膜層別に解析でき,境界明瞭に血管が描出される等の利点があり,OCTAによりNPAやNVは検出可能であるが,当初のOCTAは撮影範囲が限定されたものであった5)~8)。その後,広い範囲が撮影可能なOCTAも市販され,眼位を動かすことでさらにより広範囲の撮影も可能になった9)。本項では,超広角眼底撮影を紹介し,次に糖尿病黄斑浮腫のOCTAの活用について紹介し,また糖尿病網膜症のNPAまたはNVの検出に関して,広角OCTAと超広角蛍光眼底造影(ultra-wide field FA:UWFFA)とを比較検討した結果も述べる9)。
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