Ⅰ 角結膜 ４ 帯状角膜変性の状況の見極め方

帯状角膜変性は瞼裂間領域の角膜表層（角膜上皮基底膜から角膜実質浅層）に灰白色の混濁が沈着する比較的頻度の高い疾患である。その病因は慢性腎不全，副甲状腺機能亢進症やビタミンD中毒，人工透析などの全身疾患による高カルシウム血症や，点眼薬の防腐剤/緩衝剤に対する副作用による眼表面の損傷，角膜内皮の障害，緑内障，慢性ぶどう膜炎，シリコーンオイル注入眼などの眼局所におけるものなどさまざまである。本稿では帯状角膜変性の状況の見極め方とクリニックから基幹病院への紹介のタイミング，白内障手術を考えた際，どのように対策を練りアプローチするかについて述べる。