綜説
視力の低下しない角膜混濁─posterior crocodile shagreenとフランソワ角膜ジストロフィ
白井 久美
1,2
,
住岡 孝吉
2
,
雑賀 司珠也
2
1橋本市民病院眼科(和歌山県)
2和歌山県立医科大学眼科学講座
キーワード:
角膜混濁
,
posterior crocodile shagreen
,
フランソワ角膜ジストロフィ
Keyword:
角膜混濁
,
posterior crocodile shagreen
,
フランソワ角膜ジストロフィ
pp.847-852
発行日 2023年9月5日
Published Date 2023/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003249
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角膜は透明な組織であるが,何らかの原因により混濁が生じると視力低下をきたし得る。周辺部よりも中央部でより混濁の影響を受ける。また角膜の加齢性変化として,角膜形状・角膜厚・角膜乱視の変化,角膜混濁,内皮細胞密度の漸減,加齢によるドライアイの影響など多くの変化が知られている。そのなかで角膜混濁は老人環による周辺部の角膜実質混濁がほとんどであり,周辺部のため視力には影響しないが,まれに老人環とは異なるタイプの加齢性角膜実質混濁が生じることもある。本稿では,中央部の角膜実質混濁であるものの視力の低下がほとんどみられない“posterior crocodile shagreen”ならびに“central cloudy dystrophy of François(フランソワ角膜ジストロフィ)”について症例を提示しまとめる。
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