特集 視神経炎の最新情報
4 再発予防治療
髙橋 洋平
1
1北里大学眼科・東京女子医科大学眼科学教室
キーワード:
視神経炎
,
AQP4抗体
,
MOG抗体
,
ステロイド
,
生物学的製剤
Keyword:
視神経炎
,
AQP4抗体
,
MOG抗体
,
ステロイド
,
生物学的製剤
pp.741-747
発行日 2024年8月5日
Published Date 2024/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003725
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視神経炎は急性期治療終了後も再発が起こり得る疾患であり,特にAQP4(aquaporin-4)抗体およびMOG(myelin oligodendrocyte glycoprotein)抗体が陽性となる視神経炎を含む自己免疫性視神経炎は,再発が多く難治性であると考えられている1)。AQP4抗体陽性視神経炎(AQP4 antibody-positive optic neuritis:AQP4ON)はステロイド抵抗性となることが多く,再発しやすいことが知られている2)。AQP4ONは急性期発作により視機能に重篤な後遺障害を残すことも多いため,再発を二度と起こさないようにすることが重要であり,速やかに再発予防治療を開始すべきである3)。特に,初発・再発いずれも発作時から1年以内は“clustered attacks”という再発が起こるリスクの高い期間と考えられ,この期間内には強力な再発予防治療を行う必要性が示されている4)。また,MOG抗体陽性視神経炎(MOG antibody-positive optic neuritis:MOGON)は,急性期のステロイド治療への反応は良好である5)一方で,特に発症から5年以内の疾患活動性のある期間内での再発が多く6),ステロイド依存性となるという特徴がある。これらの自己免疫性視神経炎に対しては,特に再発予防のための治療が重要である。
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