症例報告
眼内レンズ偏位を伴う落屑緑内障眼に対する眼内レンズ強膜内固定およびマイクロフックトラベクロトミー同時手術
宇佐美 勇輔
1
,
生杉 謙吾
1
,
布目 貴康
1
,
田中 康平
1
,
加藤 久美子
1
,
近藤 峰生
1
1三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座眼科学
キーワード:
落屑緑内障
,
眼内レンズ偏位
,
マイクロフックトラベクロトミー
,
眼内レンズ強膜内固定術
,
exfoliation glaucoma
,
intraocular lens dislocation
,
microhook trabeculotomy
,
intraocular lens scleral fixation
Keyword:
落屑緑内障
,
眼内レンズ偏位
,
マイクロフックトラベクロトミー
,
眼内レンズ強膜内固定術
,
exfoliation glaucoma
,
intraocular lens dislocation
,
microhook trabeculotomy
,
intraocular lens scleral fixation
pp.479-485
発行日 2024年5月5日
Published Date 2024/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003629
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
眼内レンズ(以下,IOL)偏位を合併した落屑緑内障眼に対するIOL強膜内固定およびマイクロフックトラベクロトミー同時手術の術後成績を検討する。対象は三重大学医学部附属病院で眼圧上昇およびIOL偏位を伴う落屑緑内障眼に対してIOL強膜内固定およびマイクロフックトラベクロトミー同時手術を行った5例5眼(平均年齢80.8±5.8歳,男性3例,女性2例)。全例で硝子体手術を併用した山根式強膜内固定フランジ法および谷戸氏マイクロフックを用いたトラベクロトミー眼内法を施行し,術前後の視力,眼圧値,点眼スコアおよび合併症について検討した。結果,術前の平均眼圧値は36.8±5.4mmHg,術後最終受診時の平均眼圧値は14.2±4.3mmHgであった。点眼スコアは術前平均4.4±0.5点,術後最終受診時平均3.6±2.0点であった。術後の矯正視力は2例で改善,2例で不変,1例で低下した。1例で遷延した硝子体出血に対し1週間後に追加の硝子体手術を行った。IOL偏位を伴う落屑緑内障眼に対するIOL強膜内固定およびマイクロフックトラベクロミー同時手術は眼圧下降治療の有力な選択肢のひとつとして考慮できると考えられた。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.