機器・薬剤紹介
75.MT Laser Fiber Catheter(ファイバーテック)
谷戸 正樹
1
1島根大学医学部眼科学講座
pp.471-477
発行日 2024年5月5日
Published Date 2024/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003628
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MT Laser Fiber Catheter(MTレーザーファイバカテーテル:ファイバーテック社)は,2022年4月に承認された,レーザーファイバーと内視鏡ファイバーが同軸に配置された眼内光凝固用の機器である。従来の内視鏡観察装置とレーザー凝固装置に接続することで,直視下に毛様体・網膜の凝固が可能である。経角膜的に行う内視鏡的毛様体光凝固(endoscopic cyclophotocoagulation:ECP)は,本邦ではこれまで行うことが困難であった。本機器の登場により,ECPに関する約30年間のデバイスラグが解消された。本装置は,光源としてグリーンレーザーを使用する世界初の経角膜ECP装置であり,組織選択性が高く,ダイオードレーザーを用いたECPよりも,安全性の点で有利な可能性がある。グリーンレーザー経角膜ECPは,房水排出を促す従来手術(トラベクロトミー,トラベクレクトミー,チューブシャント手術)が無効な緑内障難症例の救済処置として期待される。
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