特集 ぶどう膜炎治療の現状
2 非感染性ぶどう膜炎に対する治療の現状
岩田 大樹
1
1竹内眼科医院(北海道)
キーワード:
非感染性ぶどう膜炎
,
プレドニゾロン
,
トリアムシノロンアセトニド
,
インフリキシマブ
,
アダリムマブ
Keyword:
非感染性ぶどう膜炎
,
プレドニゾロン
,
トリアムシノロンアセトニド
,
インフリキシマブ
,
アダリムマブ
pp.323-329
発行日 2024年4月5日
Published Date 2024/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003583
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ぶどう膜炎は感染性ぶどう膜炎,非感染性ぶどう膜炎に大別されるが,そのほかにも眼炎症をきたしているようで背景にリンパ腫が潜んでいるような仮面症候群,精査を行っても原因特定に至らない症例なども混在しており,診断に苦慮することがある。非感染性ぶどう膜炎は,本邦ではぶどう膜炎全体の約47%を占め,代表的な疾患としてサルコイドーシス,Vogt-小柳-原田病(以下,原田病),Behçet病(以下,ベーチェット病),HLA-B27関連ぶどう膜炎などが挙げられる1)。十分な鑑別を行わず,安易に感染性ぶどう膜炎に消炎治療のみを行うと感染によって眼病変が急激に悪化する危険性があるため,まずは慎重に鑑別を進めなくてはならない。鑑別には問診や眼所見が参考になるが,血液・尿検査による検索,また必要に応じて眼内液を用いたPCR(polymerase chain reaction)なども行う。精査後,非感染性ぶどう膜炎と判断された症例はその炎症所見に応じた消炎治療を行うこととなる。
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