特集 生物製剤によるぶどう膜炎の治療
3 非感染性ぶどう膜炎に対するアダリムマブによる治療
田中 理恵
1
1東京大学医学部眼科学教室
キーワード:
アダリムマブ
,
TNF阻害薬
,
生物学的製剤
,
非感染性ぶどう膜炎
Keyword:
アダリムマブ
,
TNF阻害薬
,
生物学的製剤
,
非感染性ぶどう膜炎
pp.555-560
発行日 2020年6月5日
Published Date 2020/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001694
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アダリムマブ(ヒュミラⓇ)は完全ヒト型抗TNF(tumor necrosis factor)モノクローナル抗体製剤で,皮下注射により投与する。既存治療で効果不十分なベーチェット(Behçet)病による難治性ぶどう膜炎に適応があるインフリキシマブ(レミケードⓇ)はキメラ型モノクローナル抗体で,点滴静注で投与する点が異なる(表1)。アダリムマブはヒト型抗体であるがゆえに,キメラ型抗体のインフリキシマブよりもアナフィラキシーなどの全身的な副作用は少ないとされている。しかし,関節リウマチや乾癬に対しアダリムマブを使用中の患者で,中和抗体(抗アダリムマブ抗体)は31~50%1)2)にみられたと報告されており,これにより効果の減弱やアレルギー反応がみられる可能性がある。
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