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目的
当院における保険診療内高次非球面眼内レンズと低加入度数分節型眼内レンズの成績を比較する。
対象および方法
2019年4月1日から2022年9月30日までに大垣市民病院眼科において白内障治療を行い,高次非球面眼内レンズであるテクニス アイハンスⓇを挿入した10例15眼(アイハンス群),および低加入度数分節型眼内レンズであるレンティス コンフォートⓇを挿入した15例25眼(レンティス群)を対象とした。術後翌日,1週間,1か月に他覚的屈折検査ならびに裸眼および矯正された遠見視力(5m),中間視力(70cm,50cm),近見視力(30cm)を測定し比較検討した。また,術後1か月以降に両眼眼内レンズを挿入した症例(アイハンス群5例,レンティス群11例)に対し,満足度のアンケート調査を実施した。統計学的検討は,Fisher’s exact test,Mann-Whitney’s U testを用い危険率5%未満を有意とした。
結果
術後1か月の裸眼5m視力(logMAR)はアイハンス群,レンティス群,それぞれ0.05±0.07,0.02±0.09(P=0.251)で,70cm視力は0.15±0.15,0.08±0.22(P=0.251)で,50cm視力は0.25±0.20,0.25±0.15(P=0.874)で,30cm視力は0.52±0.27,0.56±0.24(P=0.654)であった。近用での眼鏡使用において,ほぼ満足を含めた満足度では,アイハンス群80%に対しレンティス群90%であった。
結論
両群ともに優れた裸眼遠見,中間視力が得られたが,裸眼近見視力では双方とも十分な視力が得られず,近用眼鏡を要すると思われた。
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