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特集 眼内レンズアップデート
球面レンズ・非球面レンズ
Characteristic of spherical and aspherical intraocular lens
木澤 純也
1
,
前田 可奈子
1
,
今泉 利康
1
,
黒坂 大次郎
1
Junya Kizawa
1
1岩手医科大学眼科学講座
pp.16-23
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211671
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はじめに
白内障手術は,急速に進歩し手術成績が安定したので,白内障手術に対する患者の期待度が高くなり,QOV(quality of vision)という概念が提唱されるようになった。患者の期待に応えるため,本来の水晶体がもつ機能を付加価値として眼内レンズ(intraocular lens:IOL)に加える臨床応用が始まった。球面IOL挿入眼の高次収差は若年者の有水晶体眼より大きくなってしまう1)ので,IOL挿入眼の高次収差を改善するために非球面IOLが開発された2)。最近,国内で新規発売された単焦点IOLのほとんどが非球面IOLであり,これにより良好な視機能を得ているとの報告が多い3,4)。しかし,非球面IOLではIOLの偏心や傾斜が生じると収差が増加する場合があり,Zinn小帯脆弱症例やIOL縫着症例などで球面IOLが推奨される場合もある。
本稿では,球面収差,非球面IOLの考え方,非球面IOLと球面IOLの違い,球面収差補正量の違いによるIOLの特徴,非球面IOL挿入に注意すべき症例について述べる。
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