特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅷ 斜視・神経眼科 3 ボツリヌス療法の合併症とその予防と対策
増田 明子
1
1兵庫医科大学眼科学教室
pp.1133-1136
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003325
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
A型ボツリヌス毒素製剤「ボトックスⓇ注用50単位/同100単位」(一般名:A型ボツリヌス毒素)(以下ボトックス)は,既に,米国,カナダ,フランス,オーストラリアをはじめとして世界35か国以上において斜視に対する承認が得られ,本邦でも,2015年に斜視の効能・効果で承認されて以降,手術治療以外の選択肢となりつつある。ところが,ボツリヌス療法を行うためには,眼科専門医であることに加え,定められた講習会(講習・実技セミナー)の受講修了証と,十分な斜視手術の経験(50筋以上)を有することと「斜視に対するボツリヌス療法に関するガイドライン」1)に記されており,敷居が高い認識もあるが,斜視を避けて通れない医師(1人医長など)にとっては身につけておくと非常に活躍するツールと考えられ,本項では,ボツリヌス療法の合併症とその予防について述べる。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.