綜説
ボツリヌスを使った斜視治療
金田 和豊
1
1宮崎中央眼科病院(宮崎県)
キーワード:
ボツリヌス毒素
,
斜視
Keyword:
ボツリヌス毒素
,
斜視
pp.1325-1329
発行日 2023年11月5日
Published Date 2023/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003397
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A型ボツリヌス毒素(以下BTX-A)は米国の眼科医Alan Scottにより初めて斜視に対して臨床応用がなされた1)2)。わが国においては,1996年に初めて眼瞼痙攣に適応が認められ,その後,片側顔面痙攣,痙縮や多汗症などさまざまな疾患への適応拡大がなされた後に,2015年に斜視にも適応が認められた。本邦では,12歳未満の小児には適応が取れていないが,乳児内斜視,輻湊痙攣,急性内斜視,周期性内斜視,麻痺性斜視,甲状腺眼症とさまざまな斜視に対してBTX-A治療の適応がある。しかし,上下斜筋に施注することは難しく,外斜視には効果が薄いといわれている3)。よって,後天性の内斜視が最も良い適応となる。
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