特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅷ 斜視・神経眼科 2 斜視手術の術後合併症とその予防
龍井 苑子
1
1北里大学眼科学教室
pp.1129-1132
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003324
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斜視手術は白内障手術や硝子体手術に代表される内眼手術に比べ,術後感染症の発症率が低く,その他の手術と比べても比較的安全に行える手術のひとつである。反面,斜視手術ではslipped muscleやlost muscle等,術者の手術操作によって医原性の眼球運動障害が生じ,思わぬ手術結果を招くこともある。また,ときに前眼部虚血や眼内炎によって重篤な視力低下をきたすこともあれば,眼瞼後退を起こし整容面で大きな変化をもたらすこともある。そのため,他の術式と同様に緊張感をもって臨む必要のある手術であることに違いはない。本稿では斜視手術で注意すべき,術中操作に由来する術後合併症を中心にその予防と対策法について解説する。
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