増刊号 実戦 メディカル眼科治療アップデート
メディカル眼科治療 各論
Ⅲ 神経眼科疾患
斜視に対するボツリヌス毒素治療
宇井 牧子
1,2
1CSクリニック
2横浜労災病院
pp.207-210
発行日 2019年10月30日
Published Date 2019/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213345
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POINT
●斜視に対するボツリヌス治療は2015年6月に保険適用となった。外眼筋にボツリヌス毒素を注射することで筋の収縮力を弱め,後転術に似た効果を得ることができる。
●本療法の良い適応として,急性後天性内斜視,麻痺性斜視の急性期,小角度の甲状腺眼症,手術後のシミュレーションが必要な例,大角度の斜視に対する後転術との併用がある。
●効果の持続期間は3〜4か月である。本療法の利点は,急性期の斜視に介入可能なこと,侵襲が少なく,短時間の処置で済むことである。欠点は,手術に比べ定量性に乏しく効果が不安定であること,一過性眼瞼下垂や一過性上下斜視の副作用などである。効果が一過性であることは,利点とも欠点ともなりうる。
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