Ⅱ.所見からみた診断の進め方
2 ぶどう膜炎・前房・硝子体 2)狭隅角/浅前房
栗本 康夫
1
1神戸市立神戸アイセンター病院(神戸市)
pp.1131-1136
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000838
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本セクションの表題にある狭隅角とは前房隅角が狭いことであり,浅前房とは前房深度が浅いことである。狭隅角と浅前房を臨床評価する主要な目的は原発閉塞隅角症(PAC:Primary Angle Closure)および同緑内障(PACG:Primary Angle Closure Glaucoma)のスクリーニングと診断である。PACGは前房隅角が閉塞して眼圧が上昇する緑内障病型であり,前房隅角が狭ければ閉塞のリスクは高くなる。浅前房は一般に中心前房深度の深さをもって評価するので隅角の狭広とは必ずしも一致しないが,一般に中心前房深度が浅ければ隅角は狭い。ただし,プラトー虹彩形状の症例では中心前房深度が正常な例も多いので,前房の中心部だけではなく隅角そのものの広狭を評価すべきである。
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