特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅲ 緑内障 6 原発閉塞隅角病(PACD)に対する手術治療
栗本 康夫
1
1神戸市立神戸アイセンター病院(兵庫県)
pp.1015-1021
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003302
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緑内障は,眼圧上昇の原因により開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の二型に大別される。本稿のタイトルにある原発閉塞隅角病(PACD)とは原発閉塞隅角緑内障(PACG)とその前駆病変である原発閉塞隅角症(PAC)ならびに原発閉塞隅角症疑い(PACS)を含めた疾患概念であり,前房隅角が閉塞して眼圧が上昇する緑内障病型である。PACDは隅角閉塞という明らかな原因のある緑内障病型なので,「治療できる原因があれば原因治療」という緑内障治療の大原則に則り,治療の第一目標は隅角閉塞の解除である。この目標を病初期に達成できればPACDは治癒に持ち込むことができる。PACDは失明リスクが高い病型であるが,一方では原発開放隅角緑内障と異なり治療的介入により治癒させ得る緑内障病型でもあるので,確実に診断して速やかに適切な治療を行うことが極めて重要となる。
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