特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅲ 緑内障 1 トラベクロトミー,MIGS
笠原 正行
1
1北里大学眼科学教室
pp.985-991
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003297
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近年,安全性を重視した緑内障手術として,低侵襲かつ短時間で行うことのできるminimally invasive glaucoma surgery(MIGS)が国内外で広く普及してきている1)。そのなかでも,眼内からアプローチをして隅角鏡直視下に線維柱帯を切開するab interno trabeculotomy(AIT)は,短時間で比較的容易に行うことができ,10台半ばの眼圧を目指した安全性の高い術式として急速に普及してきている。また,AITと同様に流出路を再建する機序で線維柱帯にステントを留置するiStent手術は,白内障同時手術で行う必要があるものの,AITと比較して術後の前房出血が少ないため視力回復が早く2),症例により重宝されることがある術式である。MIGSである両術式は,濾過手術と比較すると重篤な合併症が生じる頻度は低いが,合併症が起こらないわけではない。本稿では,AITを含めたMIGSの合併症と対策について解説を行う。
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