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目的
広義原発開放隅角緑内障(広義POAG)で通院,加療中の患者にアイフレイルチェックリストについて回答していただき,緑内障重症度とチェックリストの関係性および緑内障患者で該当しやすい項目に関して検討した。
対象と方法
対象は40歳以上の手術治療,レーザー治療の既往がない広義POAG患者97名(平均年齢58±9.3歳,男性51名,女性46名)である。アイフレイルチェックリストにおいて,2項目以上該当した割合と項目別の該当数を検討した。またHumphrey視野(HFA)24-2 MD値−6dBで早期例と中期以降例の2群に分けて比較した。
結果
2項目以上該当したのは97例中79例(81.4%)で,早期では33例中26例(78.8%),中期以降では64例中53例(82.8%)であった(P=0.783)。平均該当項目数は3.4±2.0個で,該当項目数とBetter eyeのHFA 24-2 MD値−3.74±4.86dB(P=0.028),Worse eyeの24-2 MD値−9.32±6.32dB(P=0.016),Worse eyeの10-2 MD値−8.31±6.73dB(P=0.047)とそれぞれで弱い相関を認めた。該当率が高かった項目は「目が疲れやすくなった(59.8%)」「夕方になると見えにくくなることがある(46.4%)」「新聞や本を長時間見ることが少なくなった(47.4%)」「眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった(47.4%)」「まぶしく感じやすい(42.3%)」であった。また「新聞や本を長時間見ることが少なくなった」が早期30.3%に対して中期以降56.3%(P=0.019),「段差や階段が危ないと感じたことがある」が早期12.1%に対して中期以降40.6%(P=0.005)と有意に増加していた。該当項目がなかった7例中6例はBetter eyeの24-2・10-2 MD値ともに−2dB以上であった。
結論
アイフレイルチェックリストは緑内障の検出に有用である可能性がある。
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