特集 未熟児網膜症アップデート
2 未熟児網膜症に対する網膜光凝固術
野々部 典枝
1
1名古屋大学医学部附属病院 総合周産期母子医療センター
キーワード:
未熟児網膜症
,
網膜光凝固
,
A-ROP
,
近視
,
急性緑内障発作
Keyword:
未熟児網膜症
,
網膜光凝固
,
A-ROP
,
近視
,
急性緑内障発作
pp.9-15
発行日 2023年1月5日
Published Date 2023/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002983
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近年,未熟児網膜症(retinopathy of prematurity:ROP)の治療として抗VEGF(vascular endothelial growth factor)療法が普及しつつあり,従来の網膜光凝固術を行う機会が減少している(表1)。また,重い装置を装着して長時間高温の部屋で施行する治療方式に対する拒否感や,手技の習得に時間がかかることなどもあり,これからROP治療を担う世代への技術の継承不足が懸念されている。活動期ROPの治療は,1968年に日本の永田らがキセノン光を使用した網膜光凝固治療の有効性を報告1)して以来,長くROPの重要な治療方法として位置づけられ,網膜剥離への進行予防に寄与してきた。抗VEGF薬であるラニビズマブ,アフリベルセプトがROPに対して承認され,初回治療の選択は徐々に抗VEGF療法に変化しつつあるが,網膜光凝固術は現在もなくてはならない治療の選択肢である。本稿では,抗VEGF療法時代の最適な網膜光凝固術の施行方法について考察する。
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