原著
重症未熟児網膜症に対する網膜光凝固術とベバシズマブ硝子体内注射の併用療法の有用性
大槻 光伸
1
,
西 智
1
,
中尾 重哉
1
,
水澤 裕太郎
1
,
緒方 奈保子
1
1奈良県立医科大学眼科学教室
キーワード:
未熟児網膜症
,
ベバシズマブ
,
網膜光凝固
,
併用療法
,
retinopathy of prematurity
,
bevacizumab
,
photocoagulation
,
combination therapy
Keyword:
未熟児網膜症
,
ベバシズマブ
,
網膜光凝固
,
併用療法
,
retinopathy of prematurity
,
bevacizumab
,
photocoagulation
,
combination therapy
pp.1389-1392
発行日 2018年10月5日
Published Date 2018/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000902
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目的
未熟児網膜症(ROP)に対するベバシズマブ硝子体内注射(IVB)の有効性が報告されている。重症ROP症例に対するIVB治療と網膜光凝固術(PC)の併用療法の有効性を検討した。
対象と方法
対象は,奈良県立医科大学附属病院でROPと診断され,1年間以上経過観察できた60例120眼。重症例にはPC施行前の補助療法としてIVBを施行した。IVB+PC併用療法を施行した重症ROP症例11例22眼とPC単独治療を行ったROP症例49例98眼,2群間の出生時週数,体重および術後経過を検討した。
結果
出生時在胎週数はPC群がIVB+PC併用群に比べ有意に長く,体重は重かった。IVB+PC群ではIVB,PCともに1回の施行で全例ROPの再発なく軽快した。PC群のPC施行回数は1.1±0.3(平均±標準偏差)回であった。最終受診時,両群ともに全症例が瘢痕期分類1度で安定していた。3歳時の等価球面度数は,両群ともに軽度の近視を認めたがIVB+PC群(10眼)は−2.38±5.20diopter(D),PC群(66眼)は−1.37±3.13Dで2群間に有意差はなかった。
結論
重症ROPではIVB+PC併用療法が有効であり,再発なく術後経過良好であった。また,PC単独治療群と比較しても,屈折度数に有意な差がなかった。
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