特集 AIによる眼科画像研究の最前線と臨床応用
4 未熟児網膜症
福嶋 葉子
1
1大阪大学大学院医学系研究科 眼免疫再生医学
キーワード:
未熟児網膜症
,
ROP
,
人工知能
,
AI
,
遠隔医療
,
診断支援
Keyword:
未熟児網膜症
,
ROP
,
人工知能
,
AI
,
遠隔医療
,
診断支援
pp.1581-1587
発行日 2024年12月5日
Published Date 2024/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003975
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未熟児網膜症(retinopathy of prematurity:ROP)は早産児や低出生体重児,全身状態不良の新生児にみられ,わが国では小児の失明疾患の第1位を占める。スクリーニング対象となる早産児のうち,ほとんどの症例は軽症で自然軽快する一方,病状が進行して重症化すると眼内出血や網膜剥離をきたし失明する。その進行の程度は,眼底所見のいくつかの要素(zone, stage, plus disease)を用いた分類で判定される。これらの要素はすべて検眼鏡の所見で判定されるものであり,主観に基づく定性診断となる。そのため,ROPを専門とする医師とそうでない医師の診断者間の診断のばらつき,診断者内の判断のばらつきがしばしば起こる。ROP診療に人工知能(artificial intelligence:AI)を活用することで,定量的かつ客観的な診断につながる可能性がある。
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