特集 網膜静脈閉塞症の最新のとらえ方
5.抗VEGF治療
野村 陽子
1
,
小畑 亮
1
1東京大学医学部眼科学教室
キーワード:
導入期治療
,
PRN
,
ルセンティス
,
アフリベルセプト
Keyword:
導入期治療
,
PRN
,
ルセンティス
,
アフリベルセプト
pp.1459-1462
発行日 2017年11月5日
Published Date 2017/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000207
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網膜静脈閉塞症に対して抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬が保険収載され4 年が経過し,日常診療においても抗VEGF 薬の投与は最新の治療からごく一般的な治療へと変化した。大規模臨床試験の結果にみられるように網膜静脈分枝閉塞症(branch retinalvein occlusion:BRVO)における視力改善を早める効果,網膜中心静脈閉塞症(central retinalvein occlusion:CRVO)における視力改善効果は日々実感するところである。しかし抗VEGF 薬は根治治療ではない。高額である。抗VEGF 薬を継続投与しても視力改善が得られない,または虚血が進行するなど悪化する症例が少なからず存在する。一方で特にBRVO など無治療でも視力予後良好な症例も一定数存在する。このようななかで抗VEGF 薬をどのように投与していくのが最善なのかはまだ各施設で試行錯誤しているのが現状ではないだろうか。また,網膜光凝固はこれまでどおり必要なのか,抗VEGF 薬を投与し続けた場合新生血管は発症しにくくなるのか,など実際診療を行ううえで疑問に思うことが少なくない。本稿では,実臨床で抗VEGF 薬投与が当たり前になってきた現状で知っておきたい事項に関して,これまでの報告をレビューしながら現時点での知見を確認したい。
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