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特集 網膜静脈閉塞の最新治療
抗VEGF治療
Anti-VEGF therapy
吉田 宗徳
1
Munenori Yoshida
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学
pp.1552-1558
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200109
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はじめに
網膜静脈閉塞症(retinal vein occlusion:RVO)の視力低下の最も大きな原因は黄斑浮腫(macular edema:ME)である。RVOのMEに対しては黄斑光凝固,硝子体手術,ステロイドなど,さまざまな治療が試みられてきたが,最近になって抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬の硝子体内注射が行われるようになり,良好な成績が報告されている。わが国でもすでにラニビズマブ(ルセンティス®),アフリベルセプト(アイリーア®)の2剤が承認を受け,使用が開始されている(図1)。しかし,抗VEGF薬の有効性は通常1〜2か月程度しか持続せず,その後は再発を起こす症例も多い。再発を繰り返す症例に対しては反復投与が必要となる。また,RVOのMEには自然回復する症例もあることが知られているため,どのような症例に,どの時期から,どのような投与スケジュールで抗VEGF薬を投与するのが最も有効かつ効率的か,さらには抗VEGF治療が無効な場合や,治療が行き詰まってしまったときにどのように別の治療に切り替えるのかなど,まだまだ解決すべき課題は多い。本稿では,これまでの大規模臨床試験の結果を中心に,国内外での抗VEGF薬の使用経験,自験例での所見などから,現時点での抗VEGF治療について考察してみる。
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