綜説
ブロルシズマブ(ベオビュⓇ)の加齢黄斑変性治療の現状
北嶋 瑶子
1
,
井上 麻衣子
2
1横浜栄共済病院眼科(横浜市)
2横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科
キーワード:
加齢黄斑変性(AMD)
,
ブロルシズマブ
,
抗VEGF薬注射
,
アフリベルセプト
Keyword:
加齢黄斑変性(AMD)
,
ブロルシズマブ
,
抗VEGF薬注射
,
アフリベルセプト
pp.985-989
発行日 2022年10月5日
Published Date 2022/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002820
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滲出型加齢黄斑変性(neovascular age-related macular degeneration:nAMD)の治療には,抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬硝子体内注射(以下,抗VEGF薬注射)が欠かせないものとなっている。アフリベルセプト(アイリーアⓇ),ラニビズマブ(ルセンティスⓇ)に加えて,2020年に約10年ぶりに新たな抗VEGF薬であるブロルシズマブ(ベオビュⓇ)が本邦で承認された。ブロルシズマブは分子量が約26kDaの小さいヒト化一本鎖抗体フラグメントである。分子量は48kDaのラニビズマブ,97~115kDaのアフリベルセプトに比べるとかなり小さく,薬物量(モル濃度)だとアフリベルセプトの10倍以上を投与することが可能である1)。そのことから,treatment-naïve症例だけではなく,従来の抗VEGF薬注射で投与間隔が延長できない例や活動性を抑えられない例などでより強い効果が期待されている。当院での治療成績も踏まえてブロルシズマブの現状を述べる。
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