特集 抗VEGF薬の最新情報
1 ブロルシズマブ(ベオビュⓇ)の特徴
湧川 空子
1
,
古泉 英貴
1
1琉球大学大学院医学研究科 医学専攻眼科学講座
キーワード:
ブロルシズマブ
,
ベオビュⓇ
,
血管内皮増殖因子
,
加齢黄斑変性
,
糖尿病黄斑浮腫
Keyword:
ブロルシズマブ
,
ベオビュⓇ
,
血管内皮増殖因子
,
加齢黄斑変性
,
糖尿病黄斑浮腫
pp.923-930
発行日 2022年10月5日
Published Date 2022/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002812
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ブロルシズマブ(ベオビュⓇ)は,滲出型加齢黄斑変性(AMD)の治療薬として2020年3月25日に国内で承認された血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬である。製品名のベオビュは「Beautiful」+「Vision」から命名された。ぺガプタニブ(マクジェンⓇ),ラニビズマブ(ルセンティスⓇ),アフリベルセプト(アイリーアⓇ)に続く,4番目のVEGF阻害薬であり,新たなVEGF阻害薬の承認は約8年ぶりであった。ブロルシズマブは,VEGF-Aに対するヒト化一本鎖抗体フラグメントであり,VEGF-Aのすべてのアイソフォームに対して高い結合親和性を示し,血管内皮細胞表面に発現するVEGF受容体(VEGF receptor:VEGFR)であるVEGFR1およびVEGFR2に対するVEGF-Aの結合を阻害する。注目すべきは,分子量が約26kDaであり,既承認のVEGF阻害薬よりも小さいことである。ゆえに,モル換算では,アフリベルセプトの約12倍,ラニビズマブの約22倍もの高濃度での投与が可能となり,より効果的に組織に浸透し,投与間隔の延長が期待される薬剤である1)~3)(図1)。
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