特集 分子標的薬と眼
3 抗VEGF剤の眼科応用の現状:黄斑浮腫治療
村上 智昭
1
1京都大学大学院医学研究科眼科学
キーワード:
網膜静脈分枝閉塞症
,
網膜中心静脈閉塞症
,
黄斑浮腫
,
糖尿病黄斑浮腫
,
ラニビズマブ
,
アフリベルセプト
Keyword:
網膜静脈分枝閉塞症
,
網膜中心静脈閉塞症
,
黄斑浮腫
,
糖尿病黄斑浮腫
,
ラニビズマブ
,
アフリベルセプト
pp.341-351
発行日 2019年4月5日
Published Date 2019/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001124
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網膜血管における生理と病理に関する基礎研究において,VEGFが血管透過性亢進と血管新生を促進することを示すデータが数多く蓄積されてきた。その結果をもとに,臨床的な網膜血管疾患,つまり,網膜静脈閉塞症(retinal vein occlusion:RVO)や糖尿病黄斑浮腫(diabetic macular edema:DME)などの血液網膜柵(blood-retinal barrier:BRB)の破綻を特徴とする黄斑浮腫に対し,抗VEGF療法を用いるのは自然な流れであろう。大規模研究で,従来療法と比較し抗VEGF療法の有効性と安全性が示され,実臨床でも良好な治療成績が得られているが,社会経済的な負担が大きいことが難点である。従来療法も含めた各治療の特性を整理し,併用療法も考慮しながら効果的に治療することが肝要である。
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