私の経験
ぶどう膜欠損と小角膜を伴った白内障手術
安田 慎吾
1
,
岩西 宏樹
1
,
小門 正英
1
,
住岡 孝吉
1
,
雑賀 司珠也
1
1和歌山県立医科大学眼科学教室
キーワード:
ぶどう膜欠損
,
Zinn小帯形成不全
,
小角膜
,
白内障
,
水晶体嚢外摘出術
,
手術手技
Keyword:
ぶどう膜欠損
,
Zinn小帯形成不全
,
小角膜
,
白内障
,
水晶体嚢外摘出術
,
手術手技
pp.1113-1119
発行日 2021年11月5日
Published Date 2021/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002343
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小角膜・毛様体欠損を伴ったぶどう膜欠損患者に対して通常より大きい強角膜切開を行うことで安全に水晶体嚢外摘出術を施行できたため報告する。
症例は48歳女性。視力は右眼0.01(矯正不能),左眼0.01(矯正不能),眼圧は右眼17mmHg,左眼17mmHgであった。両眼とも小角膜(角膜径は右眼:縦横6mm,左眼:縦横6mm)でEmery-Little分類Grade 4の褐色白内障がみられ,下方虹彩欠損とBモード超音波検査で下方脈絡膜の欠損を認めた。下方のZinn小帯形成不全の可能性を考慮に入れ水晶体嚢外摘出術を行った。通常の強角膜切開創では水晶体摘出が困難と考え強角膜切開創を270°まで拡大して行うことで安全に手術を完遂した。術前の想定通り下方Zinn小帯形成不全があり眼内レンズは挿入しなかった。術後視力は右眼15cm指数弁(0.05×S+14.00D),左眼0.04(0.06×+14.00D),眼圧は右眼14mmHg,左眼14mmHgであった。両眼とも下方脈絡膜に欠損を認めた。術後経過は良好で患者の満足を得られた。
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