症例報告
金属片による眼球二重穿孔をきたした2例の手術経験
黄 俐穎
1
,
石田 友香
1
,
井上 真
1
,
尾﨑 峰
2
,
大島 直也
2
,
平形 明人
1
1杏林大学医学部眼科学教室
2杏林大学医学部形成外科学教室
キーワード:
眼球二重穿孔
,
眼外傷
,
硝子体手術
,
眼内異物
,
眼窩内異物
,
増殖硝子体網膜症
Keyword:
眼球二重穿孔
,
眼外傷
,
硝子体手術
,
眼内異物
,
眼窩内異物
,
増殖硝子体網膜症
pp.1097-1105
発行日 2021年11月5日
Published Date 2021/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002341
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作業中に金属片により二重穿孔した開放性眼外傷の2例を報告する。
症例1は34歳男性。左眼の角膜穿孔,水晶体損傷,前房出血,硝子体出血を認め,超音波検査と眼窩部CTで網膜剥離と後極部強膜付近の異物がみられた。受傷当日に角膜縫合と白内障・硝子体手術を施行し,術後網膜は復位した。約3か月後,続発性黄斑上膜の除去を施行し,視力は1.2,金属の眼窩内異物は留置したままであるが合併症はない。
症例2は38歳男性。右上眼瞼切創,角膜輪部より約5mm耳側の結膜創,硝子体出血,黄斑部耳側の網膜裂孔と強膜穿孔創がみられ,眼窩部CTで筋円錐内に異物がみられた。網膜裂孔に対する光凝固のみで経過観察し,受傷46日後に眼窩内異物を摘出,90日後に続発性の増殖組織の除去を行い,視力は0.4を維持している。
金属片による眼球二重穿孔例については,初回の硝子体手術の介入時期,眼内の二次的増殖性変化の対応,眼窩内異物除去と留置の適否が課題であった。
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