Ⅶ.網膜硝子体
10.急性黄斑下出血
井上 麻衣子
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科
キーワード:
黄斑下出血
,
網膜細動脈瘤
,
ポリープ状脈絡膜血管症
,
典型加齢黄斑変性
,
血腫移動術
,
硝子体手術
Keyword:
黄斑下出血
,
網膜細動脈瘤
,
ポリープ状脈絡膜血管症
,
典型加齢黄斑変性
,
血腫移動術
,
硝子体手術
pp.1269-1275
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001892
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
黄斑下出血は,突然の視力低下をきたし,未治療の場合は不可逆的で重篤な視力障害となる。網膜細動脈瘤破裂,ポリープ状脈絡膜血管症や典型加齢黄斑変性における脈絡膜新生血管の破綻などが原因疾患として挙げられる。
黄斑下出血の予後は出血の厚みや出血範囲,発症してからの期間が関与するといわれる。出血が残存することによる鉄毒性や網膜外層と網膜色素上皮間の代謝障害,フィブリン塊の牽引による網膜障害により,7~14日で不可逆的な視力低下をきたすため,早期に出血を黄斑下より移動させることが重要である。治療は硝子体内ガス注入による血腫移動術,組織型プラスミノーゲンアクチベータと空気を用いた硝子体手術などが施行されている。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.