原著論文
PGF2α製剤からPGEP2受容体作動薬へ変更後の眼圧,角膜上皮障害の変化
髙田 幸尚
1
,
住岡 孝吉
1
,
田中 公子
1,2
,
佐々木 秀一朗
1,3
,
井上 晃宏
1,4
,
雑賀司 珠也
1
1和歌山県立医科大学眼科学教室
2南和歌山医療センター眼科(田辺市)
3済生会有田病院眼科(有田郡湯浅町)
4ひだか病院眼科(御坊市)
キーワード:
眼圧
,
薬剤性角膜上皮障害
,
PGEP2受容体作動薬
,
intraocular pressure
,
drug induced corneal epithelial disorder
,
PGEP2 analog
Keyword:
眼圧
,
薬剤性角膜上皮障害
,
PGEP2受容体作動薬
,
intraocular pressure
,
drug induced corneal epithelial disorder
,
PGEP2 analog
pp.651-655
発行日 2021年7月5日
Published Date 2021/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002187
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目的
プロスタグランジンF2α製剤(PGF2α)からPGEP2受容体作動薬のオミデネパグ イソプロピル(PGEP2)に変更前後の眼圧,角膜上皮障害の変化について比較検討した。
症例
2019年1月1日から8月31日に済生会有田病院,南和歌山医療センター,ひだか病院でPGF2αのタフルプロストのみ使用しており点状表層角膜症(SPK)を生じ,PGEP2に変更した15例を対象とした。
方法
タフルプロストからPGEP2に変更前と変更1,3か月後の眼圧,SPKスコア,涙液層破壊時間(BUT)の変化について各々多重比較検定(Tukey-Kramer法:有意水準を5%,1%に設定)を用いて後ろ向きに比較した。
結果
PGEP2に変更前,変更1,3か月後の眼圧は各々14.1±3.3mmHg,14.2±3.1mmHg(P>0.05),13.8±2.8mmHg(P>0.05),SPKスコアは各々1.33±0.49点,0.80±0.68点(P<0.01),0.23±0.44点(P<0.01),BUTは各々2.80±1.37秒,4.20±2.62秒(P>0.05),4.23±2.09秒(P>0.05)であった。
結論
PGEP2の眼圧下降効果はタフルプロストと同等であった。また,タフルプロスト使用でSPKを生じた症例はPGEP2に変更することで角膜上皮障害の改善がみられた。
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