原著論文
眼アレルギー症状におけるウェルウォッシュアイの有効性
三村 達哉
1
,
深川 和己
2
,
内尾 英一
3
,
溝田 淳
1
,
藤島 浩
4
1帝京大学医学部眼科学講座
2両国眼科クリニック(東京都墨田区)
3福岡大学医学部眼科学教室
4鶴見大学歯学部附属病院眼科
キーワード:
洗眼
,
充血
,
JACQLQ調査票
,
眼アレルギー
,
自覚症状
,
ウェルウォッシュアイ
,
eye wash
,
hyperemia
,
ocular allergy
,
subjective ocular symptoms
Keyword:
洗眼
,
充血
,
JACQLQ調査票
,
眼アレルギー
,
自覚症状
,
ウェルウォッシュアイ
,
eye wash
,
hyperemia
,
ocular allergy
,
subjective ocular symptoms
pp.1449-1461
発行日 2020年12月5日
Published Date 2020/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001958
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目的
洗眼行為は,眼表面や結膜嚢に入った花粉や大気中粒子などを除去する効果が期待できる行為である。今回,花粉や黄砂が飛散する春季に眼アレルギー症状のある患者に対して,洗眼薬による自覚症状の改善効果について検証した。
対象と方法
対象は2019年2月~4月に眼アレルギー症状を訴えて関東近郊の4医院を受診した患者56名である。右眼を洗眼薬A(市販洗眼薬:ウェルウォッシュアイⓇ),左眼を洗眼薬B(生理食塩水)で洗眼し,洗眼前と洗眼15分後に眼球写真の撮影と問診によるJACQLQ調査票の眼症状5項目「目の痒み,異物感,充血,涙目,目やに」を5段階にスコア化し主観的評価を行った。また,撮影した画像からImageJを使って,充血度合いを数値化し,客観的評価を行った。
結果
JACQLQ調査票の5項目すべての眼自覚症状が,洗眼薬Aと洗眼薬Bの洗眼により改善した(P<0.01)。客観的評価法の眼球充血評価において,洗眼薬Aは洗眼前と比較して洗眼後のスコアは有意に改善した(P<0.01)。一方,洗眼薬Bは洗眼によりスコアは悪化した(P<0.01)。
結論
洗眼薬ウェルウォッシュアイⓇを用いた洗眼は花粉や大気中粒子による眼アレルギーの自覚症状と他覚的所見を改善させることが示唆された。
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