Japanese
English
調査
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による重症肺炎後の回復期リハビリテーション—運動時のバイタルサインと自覚症状の乖離に難渋した症例
A report from the rehabilitation hospital on a patient after severe pneumonia with COVID-19: a discrepancy between vital signs during exercise and subjective symptoms:a case report
梅澤 浩輝
1
,
栁井 明子
1
,
高木 脩真
1
,
山口 智晴
1,2
Hiroki Umezawa
1
,
Akiko Yanai
1
,
Shuma Takagi
1
,
Tomoharu Yamaguchi
1,2
1老年病研究所附属病院リハビリテーション部
2群馬医療福祉大学リハビリテーション学部
1Department of Rehabilitation, Geriatrics Research Institute and Hospital
2Department of Rehabilitation, Gunma University of Health and Welfare
キーワード:
COVID-19
,
回復期リハビリテーション
,
バイタルサイン
,
自覚症状
,
ハッピーハイポキシア
Keyword:
COVID-19
,
回復期リハビリテーション
,
バイタルサイン
,
自覚症状
,
ハッピーハイポキシア
pp.291-294
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202454
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要旨 [背景]新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後の回復期におけるリハビリテーションはエビデンスに乏しい.今回,運動時のバイタルサインと自覚症状の乖離を認め,その対応に難渋した症例を経験した.[症例]60歳台女性で,急性期病院にて20日間の人工呼吸器管理を要した.第75病日の転入時,リハビリテーション中の酸素投与2L/minで安静時脈拍110拍/min,経皮的酸素飽和度(percutaneous oxygen saturation:SpO2)97%,歩行能力は歩行器にて連続60m程度であった.[経過]運動中,脈拍上昇に加えSpO2は即時的に80%台へ低下するも,呼吸苦など自覚症状に乏しかった.主治医と相談し,リハビリテーション中の酸素投与とバイタルサインのモニタリングに配慮した.第144病日で自宅退院時,安静時脈拍85拍/min,室内気吸入時SpO2 95%,独歩での6分間歩行テスト425mまで改善した.呼吸苦の乏しさは残存したが,症例自身で呼吸状態を意識した休憩が可能となり,運動時の酸素吸入などの制限はなかった.[結語]効果的なリハビリテーションについて,早急なエビデンス構築が望まれる.
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