原著
眼アレルギー症状に対する洗眼の有効性
三村 達哉
1,2
,
深川 和己
3
,
深山 杏里
2
,
山本 めぐみ
1
,
内尾 英一
4
,
高 良太
4
,
溝田 淳
1
,
藤島 浩
5
1帝京大学医学部眼科学講座
2東京女子医科大学東医療センター眼科
3両国眼科クリニック(東京都墨田区)
4福岡大学医学部眼科学教室
5鶴見大学歯学部附属病院眼科
キーワード:
眼アレルギー
,
洗眼
,
Hyperemia Helper Tool
,
JACQLQ調査票
,
充血
,
ocular allergy
,
eye washing
,
JACQLQ
,
hyperemia
Keyword:
眼アレルギー
,
洗眼
,
Hyperemia Helper Tool
,
JACQLQ調査票
,
充血
,
ocular allergy
,
eye washing
,
JACQLQ
,
hyperemia
pp.1437-1449
発行日 2019年11月5日
Published Date 2019/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001452
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目的
洗眼は,花粉や黄砂など眼アレルギー症状を惹起させる異物の除去効果が期待できる行為である。今回,洗眼が花粉・黄砂飛散時期の眼アレルギー症状に与える影響を,JACQLQ調査票による主観的評価,および眼球充血画像解析による客観的評価により検証した。
対象と方法
対象は2015年3~4月に眼アレルギー症状を訴えて関東近郊の4医院を受診し,充血度合いが中程度以上と診断された患者23名である。右眼を洗眼薬A(市販洗眼薬),左眼を洗眼薬B(生理食塩水)で洗眼し,洗眼前と洗眼15分後に眼球結膜写真の撮影と問診によるJACQLQ調査票の眼症状5項目「目のかゆみ,異物感,充血,涙目,目やに」を5段階にスコア化した。撮影した画像は,福島らが開発したHyperemia Helper Toolによって充血度合いを数値化して評価した。
結果
JACQLQ調査票の5項目のすべての眼自覚症状が,洗眼薬Aと洗眼薬Bの洗眼により改善した(P<0.01)。客観的評価法であるHyperemia Helper Toolを用いた眼球充血評価において,洗眼薬Aの洗眼後のスコアが有意に改善した(P<0.05)。
結論
花粉や黄砂などの異物による眼アレルギー症状に対し,洗眼薬を用いた洗眼は,自覚症状や充血の緩和の点からQOL改善の一助として有用であると考えられる。
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